発熱に氷

タグ: 状態変化 食品化 縮小娘 凍結 固め 手違い 食べられる | 2013年1月19日 17:53 | Pixivで見る
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個人的には身体が冷えるので氷は苦手です。

「ぅぅぅ。来てくれてありがとう。。お茶でも出すね……」
「ちょ、ちょっとまって! フラフラじゃんそのまま寝といて。」

友だちが風邪を引いたと聞いた。一人暮らしではなかなか大変だろうし心細かろうと寄って行ったら、わりあいしんどそうに寝込んでいる。
いつも気がキツい彼女が、病気とはいえ弱っている姿を見るのは新鮮だ。弱っている姿に興奮する人達もいるらしいが、私はただただ心配だった。

 *

「…おいしい」
「よかった。」

寝間着を着せ替えて、台所を拝借して卵粥を作って食べてもらう。いつもならここで、「キミを食べたほうが栄養がつくけどね」みたいな軽口を叩きそうなものだけど、そんな元気もないのか、彼女はベッドで体を起こして食べ終わったあとすぐにまた横になってしまった。
顔を覗き込む。火照っている。いつも白い顔をして冷静なのに。おでこの上に載った濡れ手ぬぐいに手を当てると、予想以上に熱い。手ぬぐいを洗面器でゆすいで絞って交換する。

「お大事に。」
私はそう告げて静かに去ろうとすると、無言で彼女が服の裾を掴んでいたことに気付いた。心寂しいのだろう。

 *

帰るのを止めた私は、弱っている彼女のために何ができるかと考える。う~ん。
寂しいのなら、おっぱいでもあげようか。幼児返りだ。でも、そんなに胸ないし、かといって同じように柔らかいくちびるを合わせてあげたら今度はこっちが風邪を引きそうだ。う~ん。彼女は脚が好きだったっけ。

思いついたら吉日。即実行。私は自分の身体を縮めて、布団の山を登りはじめた。

 *

「……まだ帰ってなかったの?」

太ももの下にある口が動く。心配で帰れなかった、と大声で叫ぶが、耳まで届いてるかは怪しい。しかし、声が届いたのか安心したのか、彼女はニンマリとくちびるをゆがめた。
突然のことに顔から落ちそうになるけど、なんとかバランスを取って元の位置に戻る。すると、彼女から注文が出された。一緒に居てくれるのはうれしいけど、口元に載られたら息をしづらい。もしよかったらおでこの上に載って、氷像になって冷やしてくれない? 私は頷くと、顔から落ちないように気を付けながら、おでこを目指した。

 *

手ぬぐいをベッドの下まで投げ捨てて、おでこの上に腹ばいになる。やっぱりおでこは私より熱かった。身体が動けなくなっても落ちないように位置を微調整した私は、大きな声で、「準備オッケー!」と叫ぶ。すると、足元から身体が凍り出した。

ピキピキピキ…… 足、太もも、おしり、おなか、と順に私の身体は凍っていく。凍ったところから、彼女の体温をより強く吸収していることが感じられる。身体の凍る感覚が気持ち悪くても動かないように。じっと黙って身を任せていると、ついに私は全身が凍りついてしまった。
傍から見れば、小さな氷像がおでこの上に載せられているようにみえるだろう。熱を出した人の上で融けてしまうとおもわれるかもしれない。でも、彼女が意識している限り、私の身体が融け出すことはなかった。

そうこうしているうちに、彼女の呼吸のリズムが一定に戻る。眠ったようだ。私も身体を動かせずにやることがなく退屈なので、彼女のおでこの上で一緒に眠りに落ち行った。

 *

「アチチ。」
うつ伏せになって地面に接している顔やお腹以外に突然熱い体温を感じ取って、私は目を覚ました。

凍結した身体には、人間の体温は熱く感じられる。何かと思うと、どうも彼女が私のことを手でつまんで移動させようとしているようだ。目は閉じられて、口もウニャウニャと動いている。まだ熱でもうろうとしているのだろう。私はわき腹あたりで摘まれると、すっとくちびるの上に移動させられた。

半開きになった口の中に、凍った脚が埋没していく。口でも涼しさを楽しみたいのかな。動けない身体でまだ眠い思考を働かせる。すると、

チュポン!

私は製氷機の氷のように、彼女の口の中にほお張られた。

 *

しばらく私は右頬、左頬、右頬と舌で移動させられた。口の中はおでこの上よりも熱い。でも、彼女のおかげか身体が融け出すことはなかった。今度は口の中央部に運ばれる。
私は羽毛布団のように大きな舌で凍った全身を舐められながら、口で涼しさを感じてくれてるんだったらそれでいいかと思いを馳せていた。

すると、次は、私の肩が奥歯の上に運ばれた。上からもう一対の奥歯が降ってくる。ふと、ファミレスで飲み終わったジュースの氷を噛み砕いている彼女の姿が私の脳裏をよぎった。

……あっ!

ガリ! ボリボリボリッ、 モグモグモグ……

「ああああああああ!!!!!」と叫ぶ暇さえ与えられず、私の身体は粉々に噛み砕かれた。砕かれて表面積の大きくなった破片はすみやかに融けて水になり、彼女に飲み込まれていく。突然のことに頭が真っ白になりながら、破片になった私はパニックに陥った。
動けない粉々になった身体ではパニックになってもどうあがくこともできない。咀嚼されながら、私の身体はどんどん融けていく。喉の渇いた彼女は融けた身体を飲み干す。もうどうしようもできない。

卵粥をもうちょっと水多めで作っておけばよかったな。。。 薄れ行く意識の中で、私は、小さいけど最期の後悔をした。

オワリ

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