小女子掃除機

タグ: 小女子 縮小娘 巨大娘 食品扱い 掃除機 食べられる 売られる 捨てられる | 2014年6月16日 03:39 | Pixivで見る
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倍率の違う別世界へ掃除機を持ち込み、ゴミのように小女子たちを吸引して集める。集め終わった小女子たちは用途別に選別して梱包して出荷する。

グオオオオオォォォォォォン!!!

電車サイズの大きな流線型の物体が、轟音を鳴らしながら道路上の全てを吸い込んでる。埃・砂・ゴミ、そして人。学校帰りの私たちは、突然空から現れた巨大な掃除機のヘッドに出くわしたのだ。

「あっ」
「キャアアアアアアア!!!!」

手をつないでなんとか耐えていた友人が、掃除機の中に吸い込まれていく。彼女はヘッドの中で高速回転するブラシで服がズタズタにされたあと、そのまま奥の方へ吸い込まれていった。ヘッドはそのまま私の捕まった電柱まで迫って来る。ヘッドと電柱の間に挟まれて死ぬ前に、私は電柱から手を離し、掃除機の吸い込む空気の流れに身を任したのだった。

 *

小女子。小女子の刺し身・小女子の唐揚げ(冷凍)・小女子のオムレツ・活小女子・小女子スルメに小女子ソーセージ。小女子は今や、スーパーやレストランで普通に見られるポピュラーな食材だ。小女子の完全養殖が達成されてもう日は長いが、では“天然小女子”は一体どのようにされて調達されているか知っているだろうか。

私の勤め先は、天然小女子を収穫し卸売へ出荷する一次産品業者だ。午後4時。今日もそろそろ小女子の採集作業が始まる……。

 *

私は更衣室でピアス・時計その他落ちやすいアクセサリーを外し、財布や携帯などもロッカーへ仕舞った。髪も落ちないように、白の割烹着の帽子のような被り物をかぶる。食材を扱う仕事だから、というわけではなく、私たちは特別おとしものに注意しなければいけない。
道具のスイッチを試しに入れてみて、ちゃんと稼働するか確かめる。パックも新しいものをセットする。いよいよだ。

「え~と、じゃあ。今日はE-03空間へ行ってもらいます。地図は確認しましたか?」
「はい。大丈夫です。」
「では頑張ってきて下さい。」

大きな機械にスタッフが電源を入れ、キーンとした高い音が鳴り出す。機械に取り付けられたドアの上のランプが赤から緑色に切り替わると、“向こう”と繋がったの合図だ。ギィ……と私はドアを開けた。

 *

ズドーン
といった音が地上にいる人達には聞こえるのかもしれない。私は、トンッ、と着地したつもりだけれども。路地に私は器用に足を揃えて降り立った。ここでよろけて転んでしまうと大被害だ。
掃除機を片手に、小女子たちの集団がどこにあるのか確認する。まず、学校を探して……あっ いた。倒れないように注意しながら、ミニチュアセットのような街中の路地の中を私は進んで行く。

 *

あの大きな機械は、別次元にある地球と空間を短絡させる装置だ。ただし、“倍率”は自由に弄ることができる。私たちの天然小女子は、悪徳業者がやるような拉致・縮小ではなく、別次元から捕ってきたものだ。

「なっ なにあれ!」
「キャーー!」

学校近くの路地を歩く、帰宅途中の女子高生たちを発見。私は即座に掃除機のスイッチを入れ、彼女たちにヘッドを向けた。

ウイイイィィィン!!!

という唸り音を上げながら、掃除機が空気を吸い始める。まず、3人のグループ。上からヘッドをかぶせてあげるだけで

ズボッズボッズボッ

と吸い込まれていった。あとは普段の掃除と変わらない。私はそのままヘッドを前に移動させ、他の4人グループの女の子たちを吸い取った。

 *

普通に手で掴んで取ったり、網で捕獲したり、過去にはいろんな方法を試した。ただ、手だと掴み取ってる間に他の子達に建物の隙間や奥へ逃げられてしまうし、網だと首に絡まったりして傷付けることが多かった。鮮度の良さを維持したまま未時間時間に一度に捕るには掃除機が一番効率が良い。ちなみに、睡眠薬を撒いてから掃除機をかけるというのもやってみたことがあるのだけど、みな眠ってしまって受け身が取れないのか傷物の率がかなり増えてしまったので、睡眠薬の使用は止めてしまった。

ゴオオオォォォーーーー

私はどんどん道に散らばった女の子たちを吸い取っていく。ヘッドでちょこんと小突いてやるとコテッと転けて、そのままヘッドをかぶせると、ローラーで服が脱げたり脱げなかったりしたあとに、そのままホースへ吸い込まれていく。ホールの中を通るときに、ホースの壁へ身体中をぶつけて「ズボッ」という音が鳴るのだった。ゲームみたいなものだ。ズボッズボッズボッ。家の廊下のゴミは逃げないが、女の子たちは逃げたり隠れたりする。限られた時間でどれだけ多くの女の子を吸い込めるかを意識すると、楽しい。道に設置されたゴミステーションやその他いろいろなものはできるだけ避けようとするけども、時たま女の子たちと一緒に吸い取ってしまうものだった。まぁ仕方ない。

 *

掃除機のパック交換サインが点灯したので、パックを交換する。学校の下校時間を狙うと小女子はよく捕れて、すぐ紙パックはいっぱいになった。吸引口から小女子たちが出て行かないように、ガムテープで口をふさぐ。紙パックはその性質上袋は空気をよく通すので、窒息の心配はなかった。紙パックの中で気絶から意識を取り戻した子たちが、もぞもぞと動いているのが見えた。
新しい紙パックをセットして、ズンズン歩いて別の校区へ。下校時間内にできるだけ多く集めなきゃ。

 *

ギィ……、バタン。
「お疲れさまですー。おー、今日は多いですね。」
「マンモス校があったもんで。」

紙パック10個分を捕ったので、今日はこれでおしまい。だが、天然小女子は鮮度が命。いくら紙パックの中とはいえ早く取り出しておかないと、窒息してしまうものも居る。私は次の工程を行うために別室へ行った。

大きな流しの中で、水を張った大きなバッドと選別用の小さなバッドを用意する。大きなバッドには蛇口から常に水を流し込む。その上で、私は紙パックを引き裂いた。

 *

ハァハァ、ハァハァ、ハァハァ……。

女の子の匂いがムンムンする。互いの肌が密着して気持ち悪い。私の顔には、誰のだか知らない太モモ2本が密着していて、息がしづらい。
突然空から現れた掃除機に私は吸われて……ヘッドで服が破けて、ホールの中で身体の色んな所をぶつけて、紙パックへ着いた時には全身を殴打して、気絶して……。気が付いた時には、身体を動かせないほどに上も下も右も左も女性の体で埋められていた。人間の体温でサウナのような感じになっている。タラーと汗が顔に垂れてくる。
おまけに、この狭い箱は何者かに持ち運ばれているようで、ゆっさゆっさと運ばれたと思ったらまたひっくり返される。私は時には頭が上になっていたり、時には足先が上になったりで体勢の維持に気が休まらない。

「んん、ぶぅぅ…。」

息をしようと思いっきり吸ったら、太モモに阻まれた。嫌がるように横へ顔を避けたら、少し場所を譲ってくれた。すると、彼女の動きによって別の人が苦しくなったのか、不満の荒い息が聞こえてきた。捕まえられた私たちはもうどうすることもできない。ただ今できるのは、みんなが互いになんとか苦しくないように、体勢を調節して維持する、ただそれだけの事だった。

長い時間が経ったあと、突然ギュウと圧縮されて掴まれたのかと思うと、次にグッと空間が広がった。

ビリビリビリビリ!
飛び込んできたのは、眩しくて巨大な蛍光灯の付いた遠い天井と、私たちを見下ろす巨人の姿だった。巨人の眼差しは人間に向けるそれではなく、まるで私たちを食材か何かと思っているような冷たい瞳だった。

引き裂かれた紙パックから解き放たれた私たちは、ボチャボチャボチャと下にあった大きなプールに落下した。

 *

まず、掃除機で一緒に吸い込んだ、埃や土やゴミを水で洗い流す。ついでに殻剥き、つまり小女子の服剥ぎをする。大半の女の子たちは掃除機のローラーで服が破れてしまっているから、これは楽だ。作業を進めていくうちに、バットの中身はセーラー服やブレザーや私服などの様々な色から、小女子の肌の色へ変わっていった。

次に、死んでいる個体を取り出す。ヘッドで頭をどつかれて死んだものだったり、ホースの中を通過するときに首が折れてしまったものだったり、紙パックの中で窒息してしまったものだったり、いろいろだ。これらは活小女子としては出荷できないので加工用に回す。天然物の小女子は高級品なので、生きた状態で出荷するのが前提だ。
そして、特に太った個体も、バッドの中で首を折って取り出して加工用の死んだ小女子バッドに選別する。これらは食味が悪いし価値がない。

数が半分ぐらいになったところで、次のより詳しい選別に入る。

 *

これ以降は皆生きた小女子なので、選別中に指を噛んできたり逃げようとしてきたりするから、注意して素早く作業しないといけない。

標準体型で特にプロポーションの良い・美人な小女子、ヤセ型の小女子、標準体型の小女子のようにどんどん選別をしていく。
プロポーションの良い小女子は高級料亭へ卸す用、ヤセ型の小女子は干物やノシなどの乾物珍味へ、標準体型のものは系統出荷だ。特に大きかったり小さかったりする裾物は、小物・大物としてストックしておいて、別サイズの小女子を収穫してきたときに混ぜて出荷する。

選別が終われば梱包だ。キーキー叫ぶ小女子を、高級モノはタオルでやさしく拭いてから拘束金具付きの化粧箱へ梱包する。標準の系統出荷の分は、適当にバッド内に放置して水切りをしてから、プラスチックケースへ一つづつ放り込んでいく。

 *

干物にするものは食器洗い乾燥機にそのままかけてしまって、洗浄と乾燥を同時にしてしまう。卓上の食器洗い乾燥機に洗剤と一緒に入れられた小女子たち。不安そうにしている者も居ればどうにか逃げ出そうとカバーを開けるのを試みる者さえ居る。スイッチを押すと大量の水がケース内に噴射し始め、みななんとか水のかからないところへ逃げようとする。が、それは無駄だった。食器洗い乾燥機はケース内の全体を水しぶきで満たしてしまって、小女子の姿はすぐに見えなくなった。

「あぶぶぶぶ!!」
「はぁはぁ、んあああああっ!!!」

機械的な水流を全身へ受けるのはどのような気持ちだろうか。ただ水に当てられて苦しそうにしている者も居れば、全身を紅潮させて水流に身を任せている者も居る。「私も一度体験してみたいな…。」
洗いが済んで排水されると、みなぐったりと網の上へ倒れていた。すぐに乾燥が始まり、水滴がついていた彼女たちの身体はゆっくりと熱せられカラカラに乾燥した。

乾燥が済んだらこれらは穴付のビニール袋にガサッとまとめて入れる。段ボールに梱包してオシマイだ。

 *

今日の分の小女子達を詰めた段ボール。それらを出荷倉庫へ運ぶ。「じゃあ、美味しく食べられてね」。活きの良いものはまだガサガサ暴れている。段ボールを指定の場所に置くと私は倉庫の電灯を切って、一日の業務は終了した。

【おわり】

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