販促用のチョコレート像

タグ: R-18G 状態変化 食品化 チョコ化 バラバラ オリジナル 売られる 手違い 食べられる | 2016年4月18日 03:11 | Pixivで見る
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バイトとして販促用のチョコレート像になったコンパニオンが、材料としてバラバラにされ、加工されて食べられる話です。

「ねぇねぇ。コンパニオンって頼んだらいくらになるの?」
「う~んと。私はこの前のモーターショーだと日給1.5万円だったよ。」
「今度めぐみちゃんにウチの店のバレンタインデーで販促係やってもらいたいんだけど、予定入ってるよね……」
「あっ その日は大丈夫。全然行くよ。」
「お~。よかったぁ。別に車のカタログを暗記して来る必要みたいなの無いから。当日はニコニコしてるだけでいいからね。日給1.5万円払うよ。場所は本店で。よろしく~」

と安請け合いして今日はそのバレンタインデー当日だ。私は友達のチョコレートショップに私は足を運んでいた。そしてお店の裏で店長と二人っきりで、たらいに立って私は身体にチョコレートを塗られている。
「なに? チョコレート像になれっていうの?」に対して「だからニコニコしているだけでいいって言ったじゃん~」と店長は気楽な感じである。まぁたしかにチョコレート像になればお客さんに愛想を振り撒きながら製品について説明する感情労働はしなくてよいのだが。
私が今身体に刷毛で塗られているこのチョコレートは特別品らしく、身体に塗ると中まで染み込んで完全に肉体がチョコレートになるらしい。解除するには真っ白の解除クリームを塗ってチョコレートを抜くのだとか。科学技術の進歩はすごい。私にとってはほとんど魔法のようなものだ。

「私を食べて♥」的な媚びるポーズを取ったまま全身にチョコレートが塗られていく。足元から太もも、脇腹、胸、二の腕、手等々。塗られたところからピキピキと肌の感覚が鈍くなるというかダルくなるというか変な感触を受けて、試しに動かしてみようとしたらもう動かなくなっていた。これはすごい。最後は「は~い笑って」の声とともにベットリと顔にチョコレートが塗られる。
十数分して店長が私の脇腹をサワッと触った。私は突然のことに身体をビクッとさせようとしたが、当然のごとく身体は動かない。店長はスッと手を見返して「よし」とつぶやく。チョコレートは完全に染み入って固まったようだ。
私の身体が真っ赤なリボンで飾られていく。その姿は普段やっているコンパニオンの衣装よりも過激だろう。コンパニオンはあくまで販促員であって自分を売り物にしているわけではないからだ。「体重55kgぐらいだよね。なら10万円かな?」等々失礼なセリフをつぶやかれながら、手首には値札が結わえ付けられる。え。売っちゃうの?「でも売れちゃうと困るし、20万円にしておくかしら」と独り言を言われ値札が取り替えられる。まぁたしかに20万円の等身大のチョコレート像なら誰にも買われないと思うけど……。

しばらくすると社員やバイトが出勤してきた。「店長、そのチョコレート像どうしたんですか?」「うふふ。まぁね。販促用よ。」などと話している。私は食品を扱う用のビニール手袋をされた手で二人がかりで台車に載せられ、ガラガラと押されて店頭に出された。
店頭にはなるほど私が飾られるためのスペースが作られてあった。様々なチョコレートを載せた台がデコレーションのプレゼント箱に囲まれて私は店頭に鎮座する。2月の空気は少し寒かった。

開店時刻になって女性たちが様々にチョコレートを買っていく。一部のお客さんは興味深く私のことをジロジロ見ていたが、殆どの人には関心を持たれなかった。私は店頭のディスプレイの一部なのだ。とうぜんであろう。ただ、コンパニオンの仕事ではいつも写真をとられることに慣れっこな私にとってはちょっと物足りなかったけど……。
店長や店員なども商品を売って補充する作業に必死である。私に構っている暇もない。ひっきりなしに客が出入りしてんやわんやの店内で私は静かに静物の一つとして佇んでいた。

閉店まであと2時間程度になった時、奥に入っていた店長が出てきたと思ったらパティシエの服を脱いで外着をしている。会話によるとどうやら他の店を見回りに行くらしい。
「チョコレート商戦は今日限りなんだから、チョコレートはできるだけ売り切っておくこと。チョコレートなんて明日になったらほとんど無価値なんだから。発想を柔軟に転換して。後は任せたからね」等々を店長は社員に伝えている。そしてコートを着込んだ店長はそのあと私には一瞥もくれずに出入り口から慌ただしく出て行ってしまった。チョコレート専門店を経営をするのも大変なのだろう。

それから半時間程度経った頃。会社帰りのOL等も増えてきて店内はより大混乱だ。そのとき、バイトの一人が声を上げた。
「社員さん、生チョコとボンボンがもう売り切れそうなんですけど……!」
「えっ え~と。どっちもすぐ作れるわね。材料ってあったっけ?」
「それがホイップとかウィスキーゼリーはまだあるんですが、チョコがもう切れちゃってて……。」
「う~ん。じゃぁお客さんには我慢してもらうしか無いか……。」
大変そうだなぁ。ちょっと高級そうなチョコレートは、手間の割に原価率が低いのでいい商品らしい。ふ~~~んと、私には関係ないやといった調子で私はそのやり取りを視界の端で捉えていた。すると商品補充を終えたバイトの一人が私に近付いてきてこういった。
「このチョコレート像を砕いて材料にすればいいんじゃないですか?」
私は緊張して息を詰めた。

「たしかに、20万円の等身大チョコレートなんてバブルの時代じゃないんだし、いまどき売れないわよねぇ」
「社長は『発想を柔軟に転換しろ』って言ってましたし」
「これ(100)グラム350円ぐらいかな。生チョコだと……、よし生チョコは売れ筋だしそっちに回しちゃおう!」
私は全く想定外の出来事に大いに驚いた。思わず抗議しようとするが、動けない。心の中の抗議も虚しく、私は台車に無造作に載せられて厨房に戻されていく。

わたしはあまりのことに身体をガタガタと、唇をビリビリと震わせていた。いや、固まっているのだから動けないのだけど。
社員が「どんなグレードかな」と言って私の髪をポキリと折って口に含んだ。「う~ん。まぁまぁね。部位によって構成が違うのかな」等々。『私はチョコレートじゃない、人間よ!』と私は心の中で叫ぶ。
「どうやって解体するんですかこれ……。こんなの入る鍋無いですし。」
「うう~ん。こうやって……、無理かな。」
(いやぁっ、やめてやめてやめてやめてやめてやめて!!!!!)
社員は私の腕を掴んで関節とは逆の方向に思いっ切り引っ張った。幸いな事に腕は折れること無くまだ私の身体にくっついている。私は固まった心臓がバクバクするようだった。

社員は今度は机に布巾を掛けて、私を抱えて机に押し付けた。やめて! 私を解体するのはやめて! 私は虚しく叫ぶ。しかし彼女らには届かない。私はもはや彼女らにとってただのお菓子の材料なのだ。彼女は力強くそのまま私の腕に体重をかけた。ぐぐ、ぐぐぐぐぐううううぅぅぅぅぅぅ……、、。…ボキッ。
(……あっ、あっ。あああっ!)
「わ~すごい~~! やりましたね。」
(わ私の腕がぁああぁぁ!!)
彼女は折り取った私の腕を誇らしげにブラブラと振って誇示している。そしての折り曲げられた私の指を口に運び、舐めて味わっている。「うわぁ! 美味しい。奥深くてコクがあって、あと鼻腔の上を撫でるような果実みたいなさわやかな香りもするわ。これで生チョコを作ったらどんなに美味しいことでしょう!」
言い終わると、彼女は予め用意していた湯煎された大きなボウルに私の腕を放り込んだ。

あるバイトが「そんな力まかせに折らなくてもこうすればいいんですよ!」といって、湯で温めた包丁を持ちだした。バイトの手には温まった包丁がギラギラと輝いている。
彼女は私の冷えた唇に向かって微笑み、私の股の間に手を差し入れると、乱暴に調理台の上に仰向けにさせた。「そうね。私の彼氏のペニスだって熱されたバターナイフで、バターになった私にスッと挿し込まれるもの。」と彼女は独り言ちた。
「はい包丁」
「ありがと。」彼女は微笑み、温まった包丁を指で撫でている。その尖った先をゆっくりと私の太ももに当てた。私はビクリと反応し、恐怖から小さな声を漏らす(漏らさない)。彼女はそういった反応を楽しんでいるようだった(気付いていないし楽しんでいない)。

(まってまってまって! それをどうするの? どうするつもりなの??)
頭の中では熱い包丁が次に私の体に何をするのかわかっている。それでも私は理解できなかった、理解したくなかった。
(う、ふぐうぅぅぅぅぅぅ……っっ!!)
暖められた包丁がゆっくりと私の太ももに挿入される。動けたのなら私は身体を弓なりにしていただろう。「柔らかい……。」彼女はまた独り言を漏らす。
私が声を上げたのは痛みからではない。熱い包丁が有無を言わず自分の体内に入り込んできて私を分断するその感触に一万ボルトの電流にも似た快感を感じたからだった。そしてこの快感が文字通り体中を駆け巡る未来を想像し、自分が解体されているにもかかわらず快楽を感じている私自身に恐怖した。

「人間の形をしたものを解体するのって楽しいわね。」彼女は貪欲に目をギラつかせながら口に微笑みを浮かべていた。動けない私を調理台の上で様々な方向に置き、温まり魔法のようにチョコレートを切断できる包丁で等身大のチョコレート像をぶつ切りにしていく。
一方の私は快感に貫かれながら、切れ切れになんとか私が人間であることを伝えようした。だけども無駄だった。私はただのチョコレートの塊なのだ。調理台の上には切断された足首や腕などが転がっている。
包丁が私の身体に挿入されるたび、私は為す術もなく高みに突き進んでいく。それを次はどこへ挿れるつもりかしら。私は既に手足のないトルソー状態だった。四肢でこんなに気持ちいいのだから、これが私の秘められた中心に入ってきたら一体どうなるのだろう。
彼女はついに熱い包丁を私の割れ目にあてがった。
ぐぐ、ぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐ。
(んっひぃ!ああああぁぁぁぁぁあああ!!!!!)
熱い異物が、私を真っ二つにするような鋭さの金属が私の中心に入り込んでくる。彼女は逃げ場をなくすように私の頭を手で抑えた。私は動けない。逃げられない。
彼女は穴を拡張するように包丁を私の中でグリグリと捻らせた。私は体の中心を貫かれる痛みと、それ以上の快感でごった煮にされ、もはや何の考えを抱くことができなくなっていた。次の瞬間、包丁を突き刺していたチョコレート像の中心から黄色くてネットリした蜜が噴き出る。乳首からは溶けたホワイトチョコレートがダラダラと漏れ出す。私の頭は快感で真っ白だ。彼女は不審な顔で「このチョコレート像、ボンボンだったのかしら」と呟きながら、包丁を持っていた手にかかった黄色のキラキラとしたネトネトを舌で舐めとった。
私はプツリと意識を飛ばした。

なんだったのだろう。あれは悪い夢だったのだろうか。身体をチョコレートにされて、店内で展示されて、挙げ句の果てに他のチョコレートの材料として熱い包丁でバラバラにされて……。私はまどろみの中から目を覚ました。
ぼんやりと視界が開けていく。身体は動かない。なぜならもう存在しないからだ。わたしは頭だけになって湯煎で熱された大きなボウルの中に浮いて、調理場の中を眺めていた。
腕や脚など先に溶かされた私のパーツから生チョコレートやボンボンが生産されていくのが目に見える。調理場の端にはパッケージングされた生チョコの箱がうずたかく積み重なっていた。そうか。私、やっぱり溶かされて食べられちゃうんだ。どうにも眠い。でも美味しく食べられたらそれはそれでいいかもしれないな。視界がチョコレート色に染まっていく。チョコレート色は私の色。私はまどろみながら、溶けたチョコレートの中に沈んでいった……。

「うう~ん。このチョコレート像から作った生チョコレート、めちゃくちゃ美味しいですね。これ同じ値段で出してクレーム来ないですかね」
「時間差で買いに来る人なんて居ないし大丈夫でしょ。でもたしかに美味しいなぁ。こんな深みのあるチョコ初めてだよ」
あるパティシエはめぐみから作った生チョコレートを味見のために口に頬張った。

「はい。これ。受け取って。私があなたのために選んだんだよ」
「いやぁ、ありがとう。ね。目を閉じて……」
ある男女はめぐみからできた生チョコレートを両手に持ったまま、唇を重ねた。

「口を開けて?」
「あ~ん。」
ある女性同士のカップルはめぐみ味の生チョコレートを彼女の口に放り込んだ。そしてその上から自分の唇を重ねる。
「私たちが出会った時のはじめてのキスの味、覚えてる?」

私は目を閉じて紙とプラスチックで出来たベッドの上で揺さぶられ、誰の口に運ばれるかわからないまま様々な人の家へ連れられて行った。箱が開けられるとき、外の世界はいつでも眩しい。私は箱の中から、嬉しそうに微笑む人の大きな口を眺めた。ピックが生チョコレートの身体に突き刺せられる。また一日が終わろうとしてる。しかしどの新しい日も、その一日一日に違った意味があり、新しい喜びがある。こうして一日が完成されていくのだ。
「さあ、今日も新しい一日がやってきたわ。」私は囁く。「そうして明日も、その次の日も。新しい一日がやってくるのよ!」
ある日、私はチョコレート像としてチョコレートショップで販促バイトを行った。そして今はある女性に連れられてある家に持ち帰られている。私が彼女らの前に姿を表わすと、決まってお祝いの歓声で受け容れられた。私は彼女らの暖かい口の中でゆっくりと溶かされ、舌で押しつぶされ、味わわれる。そして最後には部屋中に愛があふれた。――その後の日も、次の日も、ずっと。

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