くつ下

タグ: 状態変化 物品化 捨てられる | 2012年9月22日 23:40 | Pixivで見る
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中国からだとツイッタル使うのに苦労するのでここで

「う~ん。だいぶ古くなってきたなぁ」
そう呟きながらヨレヨレになったくつ下を引っ張り上げる。口のゴムは緩んで生地は伸びており、そうとう使われていることがわかる。
(ふぁぁっ! また身体が伸びちゃう!)
(お願い…もうゆるして……)
伸ばされたくつ下はピクピクと震える。履き心地は人肌で気持ち良かった。

「ゆるすって? そんなに早くゴミになりたいの?」
(えっ 元に戻してくれるんじゃないんですか……!)
「あたし、そんなこと言ったっけ? 使い終わったくつ下は普通ゴミ箱に捨てるものでしょ」
(そ、そんな……)
そう言いながらもう片方のくつ下も引っ張り上げる。すると、黒い布地から親指がピョコっと飛び出してきた。
「あっ 穴が…。もったいないけど捨てるか」
(ええっ ちょっと待ってごめんなさい!!)

スルスルと脱いでそのままゴミ箱へ。もう片方も同様にゴミ箱へ放り投げる。双子なのだから扱いは同じだ。
(わ、わたしまだ穴あいてません! まだ使えます!)
(えーん。お願いだから捨てないで……)

少女はゴミ箱から聞こえるすすり泣きには耳を貸さずに、裸足でペタペタとタンスへ戻って行った。

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